秘密の契約
♛︎ 5
深夜ーーー
私は少し仮眠をとって、結城くんが来るのを待っていた。
ドキドキ心臓の音が部屋に響く。
怖いっていうのも勿論あるけど、あの美少年に会える緊張の方が勝っているような気もする。
……結城くん、まだかな?
ソワソワしながら彼の到着を待っているとーーー
「…!!」
窓から吸血鬼のすがたをした結城くんが入ってきた。
「結城くんっ」
身体を起こして彼の方を見る。
と、彼は何だかおかしそうにクスクス笑っていた。
「…な、なに?」
恐る恐る聞いてみると、
「まさか窓を全開にしてるとは思わなくて」
「…っ!!」
笑いが止まらないようで。
だ、だって結城くん来るって分かってたから…
窓開けといた方が入れるかなって思ったのに…