秘密の契約
ぷくーっと頬をふくらませた私を見て結城くんは、
「俺は姿を変えられるんだよ?小さな隙間からだって霧になって入れる。…こんな全開にしてたら、ヴァンパイアどころか泥棒の方が入りやすいでしょ」
笑いを堪えるかのように口元に手を当てながら、一歩一歩私の方へ近づいてきた。
自然と身体が強ばる。
結城くんはそれに気がついたのか、やんわりとした笑みを浮かべて、
「…大丈夫。痛いのは一瞬だから」
ストン、と私の横に腰を下ろした。
心臓の音がうるさい。
結城くんに聞こえちゃってそうで恥ずかしい。
美少年の顔が近くなる。
そしてーーー
カプッ
「…っ!!」