秘密の契約
チクリとした痛みのあとに、身体が痺れた。
ゴクゴクと美味しそうに血を飲み込む音が部屋に響く。
「…美味しい」
吸血し終わり、顔を上げた結城くん。
口元についた私の血を、ペロリと舌で舐めると妖しい笑みを浮かべてきた。
「…よ、よかった」
じっと顔を見つめられるのが恥ずかしくて、私はパッと結城くんから顔を背けた。
でもーーーー
ドサッ…
「ちょ、ちょっと、結城くん…!?」
「静かにして。…夜でしょ?」
目をそらした瞬間に、急に結城くんに押し倒されてしまう。
吸血鬼の状態の結城くんは力が強くて、とても抵抗出来そうにない。
結城くんはギュッと私の手首を握ると、私の目をまたしっかり見て、
「ごちそうさま。…と、いただきます」
そっと優しいキスを落としてきた。