料理男子の恋レシピ


スーパーまで歩いて10分くらい。
てっきり歩いて行くと思ってたら駐車場に案内される。
「乗って。」
と促されたのは、私でも知ってる高級車。
助手席に座ると、車は滑るように走り出した。

「高崎さん、車持ってたんですね。」
「あぁ。社会人になったら車欲しくて。家も、自走式の駐車場あるから選んだようなものだしな。」

そうなんだ。それにしても。車欲しいっていう理由で、こんな車買うなんて………
「汚しそうで怖いんですけど……」
「あははは。西原はほんとおもしろいな。その反応は初めてだ。大丈夫。座ったくらいじゃ汚れないよ。」

そんなことを言ってる間にスーパーに到着した。
カートを押しながら、カレーの具材をかごにどんどん入れていく。
人参、玉ねぎ、じゃがいも……
「え。きのこ入れるんですか?」
かごにはしめじとエリンギが入ってる。
「苦手だった?俺は入ってるの好きなんだけど」
「大丈夫です。うちでは入れてなかったから……」
「カレーの具材って家庭によって違うからな。
肉はどれがいい?」
「それじゃ、このカレー用って書いてあるやつで。」
カレー用って書いてあるなら、これ選んでれば間違いないはず。
あとは、ルゥを買って、会計を済ませる。

袋に入れようと、かごを持とうとすると高崎さんに止められる。
「重いから、俺やるよ。」
そう言うと、手際よく袋に詰めていく。
そのくらいはできるんだけど……
とはいえ、カレーの材料は重いものが多いのは事実。
結局、荷物は全部高崎さんが持ってくれた。
「高崎さん、ありがとうございます。」
帰りの車でお礼を言うと
「どういたしまして。」
にこりと笑ってくれた。
「それよりさ、その『高崎さん』ってのやめない?会社でもみんな省吾さんって呼んでるから、それで呼んで。」
「わかりました。そうします。」

家について、いよいよ料理!!

かと、思ったら、「お腹すいただろ。」と省吾さんがお昼ご飯にパスタを作ってくれた。
'ほうれん草とベーコンのクリームスパゲティ'
サラダとフルーツヨーグルトも添えてある。
お店で出てくるランチみたい。

省吾さんの料理を食べるのは初めてだけど、あんな短時間でこんなに作れるなんて、すごい。
「美味しいです。そのうちこれも教えてください。」
「いいよ。機会があればな。」
早めに教えてもらうことにしようと心に決めた。



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