料理男子の恋レシピ
お昼ご飯を食べ終わった後、さっそく料理に取りかかる。
「晩御飯、こんな時間から作るなんてなかなかないな。」
そう言いながら、省吾さんはキッチンで準備を始めた。
「西原、エプロン持ってるか?」
「家にはあります。」
「んじゃ、取っておいで。」
戻ってくると、省吾さんもエプロンを着けている。
おぉ。料理男子!!エプロンつけてる男の人なんて初めて見るかも……
つい、まじまじと見てしまう。
「料理する前に、1つだけ言わせて。」
「なんですか?」
「俺は料理研究家でもなんでもない。だから、今から教えるのは俺なりのやり方。料理本とは違うこともあるけど、それはわかっておおて。」
「わかりました。」
それくらい、大したことじゃない。私の料理が上手くなるなら。
「よし、始めるぞ。
西原がどれくらいできるかわからないから、やってるのアドバイスしていくようにするから。」
えっと………それすら、危ういかもしれないけど。
そう思いつつ、野菜を切るところから始めた。
けれど。
「人参、大きさも切り方もバラバラすぎ。」
「一口大って、知ってるか?」
等々。ダメ出しの連続で………
「もういい。まずは見とけ。」
省吾さんが呆れたように溜め息を吐くと、私に変わり作り始めた。
「料理、って慣れてくると考えずにやるけどさ。手順には意味があるんだよ。」
意味?
「野菜の大きさ1つにしてもさ。バラバラだと火が通ってたり通ってなかったりするし、食べにくくなる。」
なるほど……そんなの考えたこともなかった。
それじゃぁ、
「カレーって、煮こむ前に炒めるのも意味あるんですか?」
いつも焦がしちゃうし、後から煮こむなら必要ないと思うんだけど。
「それは、煮崩れ防止とか、旨味を出すとかだな。」
話をしながら手際よくどんどん作っていく。
要所を押さえて説明してくれるから、分かりやすい
「あとは、灰汁を取りながら火を通す。」
あっという間に、煮込み始めてしまった。
カレーだけで、いくつもポイントがあるなんて知らなかった。
「なんか、わかりにくいところあったか?」
「いえ。大丈夫です。料理って、味付け次第でどうにかなるものだと思ってました。まぁ、それも失敗するんですけど。」
省吾さんが呆れたように笑った。