料理男子の恋レシピ
あの日以来、彼女を意識することが増えた。
営業部で以前から言われている、
『総務に書類を頼むなら、西原加奈子か三好由香』
つまりは、"仕事が早くて確実。俺ら(営業部の男)に媚びない。"
それが彼女のことだと知ったのは後からだった。そして、意外とモテることも。
あの日の合コンに2人が出席していたと知った奴らが、こぞって残念がっていた。
『俺、西原さんいいなって思ってたんだよなー。行きたかった〜』
『俺は三好さん。さばさばしてるけど面倒見いいタイプだと思うんだよな。』
そんな会話に胸がざわつく。
そしてこの間、白石拓海と加奈子が一緒に会社を出ていくのを見かけた……
拓海に笑いかける加奈子を見てイライラした。
そう、俺はいつの間にか彼女を特別に、大切に思っている。