料理男子の恋レシピ
数日前、彼が私の部屋に来た。
「加奈子のご飯食べてみたい。」
「いいけど。すごい下手だよ。」
「好きな子の料理は、なんでも美味しいから大丈夫。」
御昼時だったし、家で簡単に作れるものを……と思い炒飯にした。
具材を切って、ご飯と一緒に炒めるだけ。
味付けもそんなに大変じゃない。
これなら失敗しないはず!!!
そう意気込んで作ったけれど。
切った野菜は大きすぎて火が通らないし、ご飯はパラパラになってくれなくて…水をいれたらべちゃべちゃになって収集がつかなくなった。
それでもなんとか味付けして、盛り付ける。
「なに、これ?」
「炒飯だけど…………」
確かに、お皿に盛られてるのは、炒飯なのか雑炊なのかわからない物体になっているけれど。
「料理下手って言ったじゃん。」
「聞いてたけど。」
彼が困惑した顔をする。そして、一口食べて固まった………
「独創的な味だね。」
そう言うけれど、
独創的=不味い
ってことでしょ?
予想通り、彼は半分ほどしか食べなかった。
否、頑張って半分は食べてくれたと言うべきか。
そして、今日、別れを告げられた。