太陽と花



すると奏くんはお弁当の保冷剤を出して私の頬に当てた




「大丈夫か?何かあったのか?」



「あ、これは…そう!虫に刺されたの!ただそれだけだから気にしないで。」




「え、でも…」




「私もう教室戻るね。」




そう言ってお弁当を片付けていると




「なんで…」




声が聞こえてきて見てみると陽山くんが立っていた




そして私の腕をつかんで走り出した




「え、ちょっと陽山くん!ねぇ!」





それでも彼は止まらない





そして空き教室まで連れてこられた



なんか怖い…



いつもの陽山くんじゃない



「お前さ、奏と付き合ってんの?」




「え!付き合ってないよ。」



「ふーん。朝俺がキスしようとしたら拒否って純粋ぶっといて本当はいろんな男に媚び売ってんだ。」




「な、そんなことない!」



なんでそんなこと…




あのキラキラな笑顔の陽山くんはどこ




「はーどうだか。結局お前もあの女達と変わらないんだな。俺も特定の女はいらないから、ちょうどいいじゃん。」



そう言って私の肩をつかんで顔が近づいてきた




「ち、違うって離して!やめて!」




バシンッ




私は陽山くんの頬を叩いてしまった




「あ、陽山くん…ごめん…。」





陽山くんは驚いた顔をしたが、はっと我に返ったみたいで




「ごめん凛梨。じゃあ俺教室戻ってるな!」





突然元の陽山くんに戻って教室を出て行った




なんだったんだろう…




あれが本当の陽山くんなのかな




私は力が抜けてその場に座り込んでしまった










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