Fantasy Earth Zero

「…ハイ♪」

戦争。そう戦争なのです。

ここメルファリアでは5つの国が争いを繰り広げております。

私が所属するのはエルソード王国。

賢人ナイアス様率いる王国なのです。

隣国は西側にネツァワル王国、東側にホルデイン王国。

さらに南西はカセドリア連合国、南東にはゲブランド帝国が位置しております。

隣国同士を線で結ぶとちょうど5角形になりますね。

「さ、こっちよ。気をつけて。ここからは警備が手薄なの。モンスターも沸いてくるわ。」

ちるとアイネは首都の城門をくぐり、訓練所へと歩みを進めていった。

「ねぇ、あなたはどうして兵士になる道を選んだのかしら?」

「どうして兵士になったか、ですか。」

「そうよ。ここエルソードでは、国王のナイアス様を主体にしてあらゆる研究が活発に行われているの。ここは知略の国…知識の探求者が集う国よ。」

「だからね、兵士よりも研究職のほうが人気なのよ。」

「私は、この国が好き。だから、この国のために戦いたいのデス。研究職の方が研究に没頭できるように。」

本当は研究職でもよかった。
だがなんとなく、なんとなくだけれど、私の居場所はそこではない気がした。
なぜだろう…?

「そう。じゃあ早く一人前になって活躍できるように頑張ってね。」

「はい。」



更に歩くこと数十分。

「私が案内できるのはここまでなの。
あとはこちらの彼女に任せるわ。」

案内係って、道案内だけかーい!!
とは突っ込まないこととしよう。

「あら可愛い新人さんね。私はリリーよ、短い間だけどよろしくねっ。」

「ちるデス。よろしくお願いします♪」

可愛い人ですね。
ピンク色の髪にくるっとした目が印象的なのです。

そのとき、ドォンッ!と突然の爆発音のようなものが遠くで聞こえた。

「!あいつら、こんなところまで…!!」

「来たばかりで申し訳ないんだけど、あなたにも手伝ってもらうわ。来て!」

「ふふ、初任務ね。ここはあなたたちに任せるわ。」

「大丈夫。すぐに返り討ちにしてやるんだからっ!」

「私は他の兵士に伝令を出す。たらい回しにしているようで申し訳ないけど、戦場での指示は彼、トールに従って。」

拠点につくと彼女はそう言って足早に去っていった。



「よっ!新人!俺が戦争の基本を教えてやる。早くこっちに来い!!」

「はいっ!」

「ちるだな。俺はトール。話は聞いてるぞ。前線に向かいたい気持ちは分かるが仲間がもう向かってくれてる。まずは基本から覚えなきゃな。」

「自軍の拠点のことをキープという。
ここで武器にエンチャントをするんだ。」

エンチャント(略してエンチャ)はドーピングのようなものらしい。攻撃力や防御力、体力等を上げることができるようだ。

エンチャをすると不思議と力が湧いてくるような感覚がした。

「まっ、お守りよりは効果があるだろ。ハハハ!」

それで大丈夫なのか…?


「さて、戦争で重要になってくるのは自軍の領域を確保することだ。」

「自軍の領域を増やすにはオベリスクっつー建築物を建てなきゃならねぇ。」

「んで、そのオベを建てるのにはクリスタルが必要なんだ。詳しい仕組みは俺にも分からねぇがな。」

ここではクリスタルの力であらゆるものが機能している。

「拠点には耐久値があってな、自軍の領域を増やすとキャッスルにダメージを与えられるが、オベを折られると逆にキープにダメージが入っちまう。」

「建てる位置は慎重に選ばないといけないんですね。」

「うむ。戦場によってある程度建てる位置の定石はある。そこは実際に戦争にいったときに先輩兵士に聞いてみるといいだろう。」

「もちろん状況によって建てる位置やタイミングは変わってくる。気を付けろよ。」


「百聞は一見にしかずってことでお前も建ててみるか?」

「ふぁ!いいんです!?」

「何事も実践あるのみ!」

たしかにー!!






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