小さな私とおおばあちゃん。

100円玉

それから時々、Sくんとは隙間で遊ぶようになった。

でも、一番奥まではまだ行っていない。



奥まで行くのは少し怖かった。


隙間の入り口から真ん中位までが、
私達2人の遊び場になった。



そういえば。






あれっきり、
あの麦わら帽子のおじさんは見ていない。




『あ!!はなちゃん!見てみて!!』



Sくんが隙間から私を呼んだ。


「な~に~??」

『すごいよ!100円玉だよ!!』



Sくんの手のには、土で汚れた100円玉があった。


「わ!!100円!!すごい!!」



小学生低学年の私達にとって、100円は大金だった。

なので今回はお互いの母親に相談して、
Sくんのお母さんとSくんが交番に届けてくれることになった。



『かなり古い100円玉ねぇ~…』

Sくんのお母さんは、不思議そうに100円玉を眺めた。





私も100円玉が不思議だった。


だって、
ここでは何度も遊んでいるのに。


何で見つけられなかったの?

それほど埋まっていた訳ではないのに。



やっぱり、あの麦わら帽子のおじさんが時々通っていて、たまたま100円玉を落としてしまったのか…。



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