王太子の揺るぎなき独占愛
レオンはそれ以外にも、結婚の準備に関しては積極的に意見し、楽しそうにしている。
サヤといえば、聞かれたことに答え、多少の希望を口にするだけだ。
その流れにとくに不満もなく、レオンに頼っているのだが。
「だけど、それって王妃になる身としてはどうなんだろう」
レオンは王位に就くという重い責任を背負いながらも不安を口に出さず、忙しくとも愚痴のひとつも漏らすこともない。
それどころか新しい政策を次々と実行に移しているというのに。
そのひとつが王家の森のバラ園で新種のバラを開発し、ドライフラワーやアロマオイルを作るという計画で、いずれは大きな製造工場を作り、国民の収入増加につなげようというものだ。
そのほかにも農業支援や国境付近の整備、そして子供たちの教育の質を高め、国力のアップを目指すなど、レオンが掲げる政策は数多い。
現在、そのどれもが実際に動き始めている。