王太子の揺るぎなき独占愛
「大丈夫か?」
レオンの声に、サヤの体がピクリと反応した。
そして、もぞもぞと体を動かし、レオンと視線を合わせた。
「レ……レオン? あ、あの」
レオンと呼び捨てにするのが恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしてそう言うと。
「私、レオンがいなくなってしまう苦しみを考えれば、なんでもできる気がするのです」
「あ、ああ……」
レオンの顔をまっすぐ見ながら力強く話すサヤに、レオンはたじろいだ。
ここまではっきりと自分の思いを口にするサヤを見るのは初めてで、その凛々しさに目を奪われた。
「だから、あの……レオンが側にいてくれればそれだけでなんでもできるというか……」
レオンは必死で話し続けるサヤの言葉に耳を傾けるが、何を言おうとしているのか、わからない。
「サヤ? どうしたんだ?」
レオンはサヤの頬に手のひらを当てると、優しく撫でながらその先の言葉を促した。
すると、サヤはなにかを決心したかのように、ひしと表情を引き締めた。
「私、レオンが帰ってきたら、まずこうしたかったのです」
小さいながらもはっきりとした声でつぶやくと、サヤはレオンの肩に手を置き、すっと顔を寄せた。
そして、赤く可愛らしい唇で、レオンの唇をふさいだ。
きゅっと目を閉じ、精いっぱいの思いを込めて、唇を押しつける。
まさかサヤが自分からキスをするとは思っていなかったレオンは、呆然としたまま身動きひとつとれない。
けれど、ぎこちないながらも一生懸命に唇を合わせるサヤへの愛しさが募っていく。
レオンが舌でサヤの唇の端を刺激すれば、条件反射のように開いた。
すかさず舌を差し入れれば、サヤはうれしそうにくぐもった声をあげる。
あきらかにレオンを求めているサヤの声に、レオンの熱情は一気に高まった。