【完】そして、それが恋だと知った日。

睡眠時間を削って勉強して挑んだテストは。
いつもよりも好感触で。
もしかしたらいけるかもって。
期待してしまう。


その日は帰ってきたら力が抜けて爆睡してしまって。
起きたら日付が変わっててびっくりしちゃって。


でも、携帯を見たら。
伊澄くんから『お疲れ様』ってきていて。
嬉しくて、どきどきして。
頑張ってよかったって。
そう思えた。


「小笠原。」


「はい……。」


テスト返しの時。
点数を見るのが怖くて。
先生から受け取った時、手で数字の部分を隠して。
早歩きで自分の席に座った。
見るの、怖い……。
でも、見ないと。


恐る恐る、薄目で点数を確認すると。
80点ピッタリの点数が赤文字で書かれていた。


……やった。
制約、達成した……!


嬉しいのを誰にもばれないように。
両手で顔を覆う。
私、やった。やったよ!


伊澄くんっ。
ばっと顔をあげて伊澄くんの方を見ると。
テスト用紙を見つめる姿が目に入った。


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