【完】そして、それが恋だと知った日。

私、告白するんだ……。
伊澄くんに好きって、言うんだ。
心拍数が、上がった気がした。






テスト返しの日から。
言うと決めた日から1週間。
もうすぐ夏休みに入ると言うのにもかかわらず。
私はまだ伊澄くんに告白出来ていなかった。


だって、タイミングが……。


学校で声かけるわけにもいかないし。
メールで言うのもなんか違うし。
結局声かけられてない。


こんなことしてたら夏休み来て1ヶ月たっちゃう。
1ヵ月なんて待てないよ。
制約の意味なくなっちゃう。
早く言わないと……。


気持ちばっかり焦っている放課後。
ふたつに結った髪をぎゅっと握りながら歩いた。


公園に伊澄くんがいたら言う。
公園にいたら、好きって言う。


今決めた。
もう取り消しなし。
デリート不可。


本当は、メールで呼び出してとか。
色々方法はあったけど。
最後の一歩が踏み出せなくて。
あと伸ばしにしていた。
緊張して言えないでいた。


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