【完】そして、それが恋だと知った日。
でも、やっぱり決めたんだから。
言いたい。
言わなかったらきっと後悔するから。
ちゃんと気持ち、伝えたい。
震える足を叩いて。
一歩踏み出す。
公園の入り口を抜けて。
遊具のある方へと足を進める。
いたら、伊澄くんがいたら。
いたら、告白。
道を抜けた先。
ブランコの方へ視線を向けると。
「あっ……。」
夕日に照らされた伊澄くんの姿があった。
い……た。
伊澄くんが、いる……。
心臓が跳ね上がる気がした。
心拍数がだんだん上がっていく。
足だってガクガク震えて。
手もだんだん冷たくなってく。
なのに身体中熱くて。
私、変。変だ。
「あ、小笠原さん。」
名前を呼ばれて引き寄せられるようにブランコの方へ歩く。
伊澄くんの隣、ブランコに座ることなく。
向かい合うように立つ。
不思議に思ったのか、伊澄くんも立ちあがって。
私の方へ向いた。