【完】そして、それが恋だと知った日。

でもたくさん浮かんできちゃう。
どこが一番?って聞かれても答えられない。
それくらい、全部が好き。


「制約って____」


「好き。」


「……えっ。」


「私、伊澄くんが好き。」



どうしようもなく。
あなたが好き。


「えっと……。」


私、今絶対顔赤い。
言う時、顔見れなかった。
握ったこぶしに爪が喰いこんでていたい。
でもそんなの気にならないくらいどきどきしてる。
背中に冷たい汗が伝うのが分かる。
緊張しすぎて喉カラカラ。


怖い。
……伊澄くんの答え聞くのが怖い。
逃げ出しちゃいたい。
今すぐここから逃げたい。
でも、足がすくんで動かない。
縫い付けられたみたい。
感覚しない。


やだ、涙でそう。
涙腺が緩んで。
目元に涙が溜まっていくのが分かる。


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