【完】そして、それが恋だと知った日。
巾着の中に入った誕生日プレゼントいつ渡そうかな。
さっき知って今渡しましたって。
やっぱり変かな。
「一緒に焼きそば食べよう。」
そう言って伊澄くんは私に割りばしを一組渡して。
ふたりの座っている間に焼きそばの入ったお皿を広げた。
濃いソースの匂いが食欲をそそって。
ふたり、いただきますと呟いて。
割りばしで焼きそばをすくった。
「時々この濃いやつ食べたくなるんだよね。」
「自分で作ってもこの味にはならないよね。」
「わかる、なんでなんだろ。」
「お祭り特有、なのかな?」
「1年に1回しか食べられないね。」
他愛もない話をしながら。
暗くなった空を眺める。
屋台の場所から少し離れたここは。
人の話し声も、お囃子の音も。
全部遠くの世界の音に聞こえてくる。
もうすぐ、花火が始まる。
去年は、すみれと理香子と見に行ったんだっけ。
理香子は彼氏より私達を優先してくれて。
すみれは彼氏探しだって言ってきょろきょろしてたっけ。
あの時はりんごあめを食べて。
大きくて食べきれなくて。
結局ふたりに手伝ってもらったんだっけ。
さっき知って今渡しましたって。
やっぱり変かな。
「一緒に焼きそば食べよう。」
そう言って伊澄くんは私に割りばしを一組渡して。
ふたりの座っている間に焼きそばの入ったお皿を広げた。
濃いソースの匂いが食欲をそそって。
ふたり、いただきますと呟いて。
割りばしで焼きそばをすくった。
「時々この濃いやつ食べたくなるんだよね。」
「自分で作ってもこの味にはならないよね。」
「わかる、なんでなんだろ。」
「お祭り特有、なのかな?」
「1年に1回しか食べられないね。」
他愛もない話をしながら。
暗くなった空を眺める。
屋台の場所から少し離れたここは。
人の話し声も、お囃子の音も。
全部遠くの世界の音に聞こえてくる。
もうすぐ、花火が始まる。
去年は、すみれと理香子と見に行ったんだっけ。
理香子は彼氏より私達を優先してくれて。
すみれは彼氏探しだって言ってきょろきょろしてたっけ。
あの時はりんごあめを食べて。
大きくて食べきれなくて。
結局ふたりに手伝ってもらったんだっけ。