【完】そして、それが恋だと知った日。

でも今年は全然違う。
すみれも理香子も彼氏と一緒に花火大会に行って。
私も、彼氏の伊澄くんと一緒に花火。


隣町まで来て、みんなに内緒で。
浴衣まで新しくしてきて。
そこで伊澄くんの誕生日初めて知って。
内緒でプレゼント買いに走って。


これ、伊澄くんっぽいなんて思って。
衝動買いしちゃって。


少ないお金で、でも真剣に選んだ。
初めての彼氏へのプレゼント。
初デート。初プレゼント。初手繋ぎ。
初めてがたくさん。


片想いの時もたくさんどきどきしたけど。
今も変わらないくらい、どきどきしてる。


好きだな、伊澄くんのこと。
やっぱり。大好き。


「始まったよ、真子ちゃん。」


伊澄くんの声につられて顔を上げると。
色とりどりの花火が夜空を照らしていた。
大きな音に大きな花火。
キラキラしてて、綺麗……。


「すいく……んっ。」


すごいねって、綺麗だねって。
そう言おうと思って伊澄くんの方を向くと。
伊澄くんの瞳の中に色とりどりの花火が映っていた。


いちばん、綺麗だ。
銀河みたいだなって。



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