【完】そして、それが恋だと知った日。
口約束だって、そんなの分かってるけど。
それでも。
1年後の約束をした。
1年後も変わらず隣で笑っていられる約束をした。
それだけで私は、涙が出るくらい嬉しいんだよ。
それから家について。
もう寝ようという時に、伊澄くんからメールが来た。
『今日はありがとう。プレゼントも。すごく嬉しかった。それと、ずっと言えなかったんだけど浴衣、すごく可愛かったです。恥ずかしくて言えなくてごめん。似合ってた。』
「っ、……ずるい、伊澄くん。」
心残りない完璧な初デート。
可愛いって言ってもらえた。
手を繋げた。
来年の予約もできた。
こんなに幸せでいいんだろうか。
もう、好き。
次はどこへ行こうか。
次はいつ会えるかな。
次の事ばかり考えてしまう。
また次があることがこんなにも嬉しいなんて。
夢にも思わなかった。
明日からはまた塾で勉強詰め。
でも、今なら何だって出来そう。そう思った。