【完】そして、それが恋だと知った日。
中学生。
未熟で、不完全で、子供で。
半人前な恋愛しかできない。
それでも、私達にとってはそれが全力で。
完全で、大人で一人前の恋。
歪でも、それが私たちの完璧。
私たちの歩き方で進んでいく。
初めての喧嘩。すれ違い。
また、君の事を知った。
もう、迷わない。
だんだんと大人に近づいていく私達。
ふたり寄り添って大人になっていく。
分からないことだらけで。
今も迷ってばっかだけど。
それでも、私たちのペースで。
ゆっくり、大人になっていこう。
「文化祭、一緒に回りませんか?」
「人いっぱいだけど。」
「……じゃあ、みんなで。」
「最後だしね。」
中学最後の文化祭は、6人で回った。
高橋くんとすみれが言い合いをして。
苑田くんと理香子がホラーの話で盛り上がって。
私と伊澄くんがそれを眺める。