【完】そして、それが恋だと知った日。
公園のブランコに腰をおろして。
伊澄くんが来るのを待つ。
私より先に帰ったのに、なんでいないんだろう。
疑問に思いつつも待ってみる。
そう言えば私達、公園に来る時に連絡した事ないかも。
会えない事もあるけど。
大抵会えてしまう。
何も約束とかしていないのに。
会う事が必然……みたいな。
そんな言葉で表しづらいくすぐったさに。
心地よさを感じていた。
5分ほども待ってから、公園の入口に人影が見えた。
小走りで走ってきたのは伊澄くんだった。
「彗くん!」
「真子ちゃん待った?」
「ちょっとだけ。」
「ごめん遅くなってカイロいる?」
「ありがとう。」
ちょうど温かくなったカイロを手元に渡される。
手袋忘れちゃってたからありがたい。
触れた所からじんわりあったかくなっていく。
「これ買ってたら遅くなっちゃって。」
「それ、ケーキ?」