【完】そして、それが恋だと知った日。
「凛久と彗どうする?」


「俺は別にいいけど、彗は?」


「大丈夫。」


「ってことだけど、いついくよ?」


「じゃあ日曜で。」


「りょうかい。」


3分もたたないうちに予定が決まって。
日曜日、午後1時、駅前。
遊ぶ約束をした。


教室に戻ってくると。
緊張した~って、頬を赤くしたすみれが机になだれ込んだ。
好きな人誘うって、すごいな。


そう思いつつ、さっきの会話を思い出す。
伊澄くん、すいって名前なんだ。
どんな漢字書くんだろ。
綺麗な、名前……。


っていうか、私伊澄くんと遊ぶの!?
どうしよう。
えっと、何着ていけばいいんだ……。
って、別になんでもいいじゃん!


伊澄くんと出かけるのも他の男子と出かけるのも。
女子と出かけるのとそう変わらないし。
無意識に浮かんだ悩みを脳内でかき消して。
ふたりの会話に参加した。



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