【完】そして、それが恋だと知った日。

私も、私もね。


「私も、ずっと気になってた。」


第一印象は全然男の子っぽくないだった。
女の子みたいだって思ってた。


男子って。
なんか、雑だし。
どつき合いとか、暴力的だし。
言葉遣いとか、ちょっと下品だし。
持ち物の扱いとか、汚いし。
女子と違ってなんか大きいし。
声だって低いし、べたべたしてるし。
汗のにおいすごいするし。


すごく苦手だった。
でも、伊澄くんは。


他の男子より小さいし。
声変わりもしてなくて女の子みたいな声だし。
それに、いつもシャツとかきれいで。
全然、男子って感じしなくて。


そんな印象だった。
最初から他の人と違った。


「彗くんは、他の人と最初から違っててもっと話したいって、思ってた。」


誰かに噂されるのが嫌で。
恥ずかしさや、後ろめたさ。
そういうのが大きくて。
なかなか素直になれなくて。
だからたくさん、伊澄くんに酷い事してしまった。



< 198 / 207 >

この作品をシェア

pagetop