【完】そして、それが恋だと知った日。
でも、片想いより両想いの方が辛くて。
相手の気持ち、どんどん見えなくなっていった。
初めての事がたくさんあって。
全部緊張して、あんまりよく覚えてないくらい。
それくらい、どきどきしてた。
言葉足らずな君にムカついて。
でもその笑顔でどうでもよくなって。
また好きが募っていった。
初めて、喧嘩をした。
すれ違って、勘違いをして。
噂のせいでバラバラになって。
君に避けられた。
心がズタズタに裂かれたみたいで。
数えきれないくらい涙を流した。
好きなのに。好き同士なのに。
想いは一方通行で。
話したくても話せなくて。
目も合わなくて、逸らされて。
なのに、不器用な優しさがいっぱい伝わってきて。
嫌いじゃないのに避けられて。
どうしたらいいのか全然分からなくなって。
だから追いかけた。追い続けた。
そして初めて、想いをぶつけた。
乱暴に、投げやりに。
泣き叫びながら想いをぶつけ続けた。
思ってること全部言って。
声が擦り切れるくらい叫んで。
全身で君が好きだと伝えた。
もつれた糸はするりと綻びをなくして。
見つからなかったピースが埋め込まれていった。