【完】そして、それが恋だと知った日。
確かに苑田くんかっこいいし。
一緒にいるだけで勘違いされそう。
だから映画館に来る時も。
理香子じゃなくて私の横歩いてたんだ。
かっこいい人っていろいろ大変なんだなあ。
今まで苦手だなって思ってた苑田くんを。
少しだけ身近に感じた。
予告はその後すぐ終わって。
本編の上映が開始された。
映画は今人気の少女漫画を実写化したもので。
読んでいたものだったから、漫画の内容を思い出しながらスクリーンを眺めた。
出てくる女優さんが可愛くて。
恋してる顔が、すごくキラキラしてた。
始終どきどきしっぱなしで映画は終わった。
その後はファストフードのお店に入って。
女子たちで映画の感想で盛り上がった。
「あのシーン、めっちゃやばかった~。」
「ていうか反則だよね、あれ。」
女子のテンションの上がりかたに反比例して。
男子は静かだった。
「高橋ってばさ、映画の途中で寝やがったんだよ。」
「つまんないんだよな、恋愛モノって。」
「はあ~?恋愛モノが一番に決まってんじゃん。」