【完】そして、それが恋だと知った日。

その後は自習になって。
私は先生と一緒に相手のクラスまで行くことになった。


「あの、先生。」


「なんだ？」


「もうひとつのクラスって。」


「ああ、２年３組だよ。」


３組って、伊澄くん達のクラスだ。
同じ学年で安心したけど。
３組って、学年で一番問題多いクラスだった……。
もう、なんで。


３組付近まで行くと、私たちみたいに先生と生徒が出てきた。
あれ、あの人って。


「小笠原さん？」


「苑田くん。」


「なんだお前ら知り合いか？
　先生達、自分らのクラス戻らなきゃいけないから決まったら報告に来てくれ。」


私達が知り合いだと分かるや否や、
先生たちは放任して自分達のクラスに戻っていってしまった。
止める暇もなくふたりになった私たちは。
人目につかない階段付近まで移動することになった。


「災難だったね、お互い。」


「だね。」