【完】そして、それが恋だと知った日。
こうやって私に起こった事件は解決した。
まあ事件ってほどのものじゃないんだけど。
少なくとも私にとっては、中学校生活がかかってたって。
言っても過言じゃないくらい大きな事件だった。


その事件からしばらくたって。
おばけやしきの準備も順調に進んでいった頃だった。


「あ、黒のペンキなくなっちゃった。」


誰か持ってないかな……。
って、もうみんなのもなくなりそう。
買い出し、行かなきゃだなあ。


「すみれ、理香子、買い出し行かない?」


「なんか足りないの?」


「黒のペンキもうそろそろ切れそうで。」


「そっか、じゃあ行こうか。」


「ちょっと待って。」


私と理香子が立とうとした時。
すみれが待ったをかけた。


「なに?」


「その買い出し、任せてもらってもいい?」


「ペンキひとりで持てるの?」


「……高橋と行く。」



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