【完】そして、それが恋だと知った日。
「なら良かった。ぼっちとかやだし。」


男子と一緒に回る、か。
そんな噂になりそうなこと出来ないよ。
恥ずかしいし。
その前に回りたい人なんていないし。


恋人、かあ。
好きな人と付き合ったら、どんなことするんだろう。


一緒に帰ったりとか?
あとは一緒に遊んだりとかかな。
手、繋いじゃったりするのかな。
うわああ、そんな恥ずかしいこと出来ないよ……!


自分が誰かとそんな関係になる事があるのかなって考えていたら。
恥ずかしくなってきた。
顔、熱い……。


「だれか理科準備室から暗幕持ってきて~。」


「は、はい!私行く!」


この顔を誰にも見られたくなくて。
外の空気で覚まそうと思って自ら名乗り出る。


もう私なんて事想像してるの、破廉恥だ……。
頬に手を当てながら準備室まで走る。
理科準備室は5階の端っこで。
2階分走って登ったら息が切れてしまった。
運動、苦手なのに走るから……。
もう少し運動しておけばよかったって、後悔した。


「失礼します。」



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