【完】そして、それが恋だと知った日。
「おばけやしきももうすぐ完成だし、楽しみだね。」
「そうだね。」
「当番ってどうなったの?」
「どうせあんたは高橋と一緒が良いだろうから根回ししておいた。」
「私と理香子は一緒だよね?」
「うん、あとその時間苑田と……」
ちらり当番表を見ると、伊澄くんとは違う時間だった。
やっぱり断ろう。
理香子の誘い断るとかできないし。
そう決めてまた、給食を食べ始めた。
その日の放課後、携帯とにらめっこしながら通学路を歩く。
どうしたら、相手を傷つけずに済むかな。
いや、断る時点で傷つけるの確定なんだけど。
でも、どうしよう……。
断るかどうか決めるのにも悩むし。
断る文面考えるのにも悩むし。
もう悩みつかれた……。
一回離れよう。うん。
忘れてまた夜考えよう。
そう思って歩くことに集中する。
辺りを見渡せばいつの間にか公園ルートで帰っていて。
公園の入口に立っていた。