【完】そして、それが恋だと知った日。
頑張れ、私。
「あ、あの。」
「は、はい。」
今のあの、は私じゃない。
先に口を開いたのは伊澄くんの方だった。
「昨日の、メールなんだけど。」
きたっ。
やっぱり怒って……。
「からかってるとか、その。
そういうのじゃないから……。」
そ、そんな事言われちゃったら。
8割くらい冗談だって思ってた可能性がなくなって。
期待と嬉しさで脳内が埋め尽くされる。
「だから、あの。
一緒に、回ってくれませんか?」
伊澄くんの顔を見ると。
私の方をじっと見ていた。
その目は真剣で、きらきらしていて。
不安と焦燥、そして少しの期待。
ブランコの鎖部分をギュって握ってるの、伝わる。
伊澄くんのドキドキが私にまで伝わってきて。
私もドキドキしてしまう。
本当は。
誘われて嬉しくて。
今日全然眠れなかった。