【完】そして、それが恋だと知った日。

考えている間に当番の時間が終わって。
ついに文化祭を回る時間がやってきた。


ど、どうしよう……。
なにもできてない。


「じゃあ私と高橋行くから。」


「じゃあな~。」


すみれと高橋くんは当番が終わるとすぐに出ていってしまった。
廊下には私と理香子と苑田くんと伊澄くんだけが残った。


ああ、本当にどうしよう。


「真子、行くよ?」


「あ、あの……。」


やっぱり言わないと。
そう理香子に声をかけようとした時。
ふと意識が周りにいく。


周りには全校生徒がいて。
みんな、男子同士、女子同士て楽しんでいる。
男女で回っているのなんて。
付き合ってる同士ぐらいしかいない。
それもそんなのごく少数だ。


男子に誘われた事実に浮かれて忘れていた。
ここ、学校だった。


こんな中伊澄くんとふたりで回ったりなんかしたら。
噂になっちゃう。


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