【完】そして、それが恋だと知った日。
後篇~僕が恋を伝える日~

片想い宣言

あの日から。
伊澄くんが好きだと気付いてから、半年が経った。


今日は始業式。


もうすっかり気慣れた制服に袖を通して。
不安と期待が入り乱れる中、学校へ向かう。


外はすっかり桜の見ごろで。
通い慣れた通学路には散った桜で道が出来ていた。


今日から新しいクラス。
またすみれと理香子と一緒なクラスになれますように。


「おはよう~。」


「おっはよ、真子っ。
 4月なのに寒くない?息白いんだけどっ。」


すみれがはあっと息を吐くと。
吐いた息は白色に色づいて、消えていった。


「最近は4月も寒いからね。
 私ヒートテックまだ着てる。」


「わかるわ~、あ。まひろからメール来た。」


3年生、私たちも受験生になった。
あの日から少しずついろんなことが変わった。


すみれは高橋くんの事を下の名前で呼ぶようになった。
高橋くんも同じで、お互いの名前を呼び合うようになっていて。
今でもふたりは仲が良い。
理香子も彼氏と続いているらしい。



< 61 / 207 >

この作品をシェア

pagetop