【完】そして、それが恋だと知った日。
「私、最低だ……。」


「いやっ!責めたいわけじゃなくてその……えっと」


慌てて弁解を始める伊澄くん。
言葉がたどたどしくて、思わず笑いがこぼれる。
かわいい。


「あの。」


「は、はい。」


「これからは、話しかけてもいい……かな?」


精いっぱいの勇気。
伊澄くんとの間にわだかまりがなくなった私の。
片想い宣言。


また、前みたいに話せたら。
今度は頑張りたい。
あの日、選択を間違えて傷つけてしまったから。
今度は、もう間違えたくない。
だから、私は頑張るんだ。


「うん。同じ、クラスだし。」


「えっと、1年間よろしくね。」


「こちらこそ……よろしく。」


伊澄くんの不器用な笑い方にきゅん、として。
ああ私やっぱり伊澄くんが好きなんだって。
半年とっても変わらないんだって。
そう気付いた。


半年前よりもどんどん大きくなっていて。
伊澄くんのことばかり考えてしまう。



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