【完】そして、それが恋だと知った日。
「お、れも。西校……。」
「一緒だ、ね。」
「うん。」
同じ学校なんだ。
高校に行っても、一緒なんだ。
胸がきゅってしてふわってする。
夢心地、なんか嘘みたい。
すごく嬉しい。
「勉強、大変だよね。」
「難しいし、嫌になってきちゃう。」
「俺数学苦手だからさ。」
「私英語ダメだ~。」
「まじで?俺得意。」
「うそ、すごい。」
「お母さんが英語の教師で。」
お母さんをお母さんって呼ぶんだ、かわいい。
英語得意なんだ。
数学、苦手なんだ。
私得意な方だよ、教えてあげるって言ったら困るかな。
その代わりに英語教えてって、おこがましいかな。
「小笠原さんって、兄妹いる?」
「ううん、ひとり。伊澄くんは?」