恋ができない私たち
~プロローグ~
「昂輝、また来たよ。」
昂輝(こうき)は病気でずっと眠っている。
一年前、あと三年眠り続ければ死んでしまう。
と、聞いた。
その時の私に、それを受け止めるのはできなかった。
一年前のこの日から、
死んでしまうと聞いたこの日から、
入院していた昂輝に会いに行くのをやめた。
というか、会いに行く勇気がなかった。情けないことに。
昂輝に会わなくなった私は、色んな男の人と遊んだりしていて、ものすごく荒れていた。
今になると、そんなことを考えるだけで気持ち悪いというか、なんでそんなことしたんだろうっていうか。
これは昂輝が大事な存在だからこそ、
大事な存在の限界が見えているっていうのがつらかったからこそ、
そのとき、よくわからなくなったしまったんだと思う。
そして、そんなとき、私は昂輝の双子の弟、狼に告白された。
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