恋ができない私たち

私はさっきまで雨が降ってることを、しっかり忘れることが出来ていたのに、





出来ていたのに、



雨に気づいてしまった。


それと一緒に、雨の日のことを思い出してしまった。





涙が、止まらなくなってしまった。


さっきもいつ出てもおかしくない状態だった。





「う、うぅ。うあぁ、ぁ。」






なんで昂輝が。嫌だ、嫌だ。なんで。なんで…。



昂輝、昂輝…。






その場にしゃがみ、涙を止めようとした。



けれど、それはもう止まらなかった。




自分で止めることの出来ない涙。





この涙を止ませるには、どうしたらいいのだろう。




私の涙は、昂輝に止めてほしい。




昔みたいに、泣き止むまで私を抱きしめてほしい。





願いが叶うなら、早く、目覚めて。




もうすこしだけ、あとすこしで涙止まるから。

病室に聞こえないように、声を殺して泣いた。






雨は、きらいだ