恋ができない私たち
中学1年生
俺は、昔から、察しが良くて面倒見がいいと言われていた。
『お兄ちゃんよりお兄ちゃんみたいね。』
いつもそんなことばかり言われていた。
別に嬉しかったわけでもなかったし、
嫌だったわけでもなかった。
けど、察しがいいということをここまで恨んだことはなかった。
千夏は昂輝が好きなのだ。
それに気づいたのは千夏が女子と話している時。
耳がいいからか、耳に入ってきてしまった。
「私は昂輝がすき、内緒だよ!」