恋ができない私たち
大きい看板を持ち、指で笑顔を作ってから教室を出た。
「あの、写真いいですか?」
他校の可愛い女の子(おそらく年下)に、上目遣いで言われた。
頬も少し赤らめている。
なんで?こんな可愛い子が。なんで?
この言葉に尽きる。けど、まあ。ねえ?
「もちろん。」
どうやら一緒に撮ってほしいとのことらしく、
その子は、自分の友だちにスマホを預けて緊張ぎみに私のとなりに立った。
こんなとこで写真ってもうしわけないので、最上級の笑顔を作り、肩を抱き寄せて写真を友だちの子に撮ってもらった。
「ありがとうございます!!」
その女の子は、若干興奮しているようだった。顔もさっきよりも赤かった。
「いえいえ。」
笑顔を崩さずに、どこかサボれるところに行こうと考えていた。