恋ができない私たち
俺のクラスの劇
千夏は、姫役を引き受けてくれるだろうか。
キスシーンが追加されたと知らなかった俺は、
投票で選ばれた女子と劇をやるはずだった。
本当にキスシーンがあるのかと、監督の奴に聞いたら、本当だと答えた。
「だって、狼嫌がるだろ。」
監督は、俺と仲のいい、遊と、亮介だった。
お調子者の遊と、しっかり者の亮介。
俺が黙っていると、
「狼、俺は反対したんだぞ。けど、遊が…。」
「あっ、この裏切り者…。」