恋ができない私たち
「千夏が分かりやすいだけじゃないかしら。」
「そうやな。千夏が分かりやすいだけや。」
「私を分かりやすいって言うのは二人ぐらいだよ。」
そう話していると、私達の近くに見知らぬ男子がいた。
違うクラスの人かな?
「あの、どうかしましたか?」
その男子の顔を覗き込むと、顔を真っ赤にして、
「い、いえ、なんでもありません!ただ、皆さんに見とれてただけで…。」
「え、えっとありがとうございます?」
「なんで疑問形なん?」
「そこは普通にありがとうでいいんじゃないかしら。」
「えっ、じゃあ、ありがとう。」
私達はこんなこと言われ慣れている。
こんなの薄っぺらい言葉だ。
正直言ってどうでもいいけど、今はイメージを大事にしてるから、笑顔で対応した。
何でも、何に関しても、イメージはとても大切だと思う。