恋ができない私たち
その男子はなぜか、
「っ、すみません。」
と言って、廊下を走って行った。
「廊下走っちゃダメだよー。」
「なんか、ああいうの、多いわね。
さっきもあったわ。鈴と二人で呼び込みしてた時。」
「メイド服だからやろ。
他の女子と違ってなんか造りが凝ってるし。
うちのは、無駄にフリフリしてて、猫耳やし。あと、しっぽ。」
「鈴は、そういうの似合うよね〜。」
「確かに、私のもロングスカートで、ほかの子に比べてフリルが少ないわ。」
「似合う似合う!」
「千夏のは、刺繍がされてるのね。
シンプルが千夏の可愛さを引き立てているのね…。」