恋ができない私たち



それは、この人も同じで。





「わ〜、美味しそうだ〜。」



「うわあ!早く食べたい!食べたい!」





スイーツに夢中の私達を気にせず、





「あんみつは千夏で、みたらし団子が鈴。白玉ぜんざいは、私。」




さすがクールビューティ…。





「スイーツ持ってきてくれて、ありがとう!」




私はすかさず笑顔を作り、お礼を言う。




「ほら、鈴も。」




みたらし団子を見てよだれを垂らしそうになっている鈴に小声で言いながら、肘でつつく。




「ありがとう。」



関西弁じゃない。



鈴は小柄で可愛すぎる見た目故に、関西弁だとがっかりされることが多かったらしい。



私達以外のところでは、関西弁を使わないよう心がけているらしいが、気が緩んだ時などは出てきてしまうらしい。






「ありがとう。騒がしくてごめんね。」





雪菜が言った。雪菜、本当しっかりしてるよね。




「い、い、いえ…。滅相もございません…。こ、これで失礼します…。」




滅相もございませんって。つい笑ってしまった。





「顔真っ赤だったわねー。」



「そやな。湯気出そうだったで。」



「メイド服だからね。可愛さ2倍なんじゃない?というか、早く食べよ!」





各々自分が頼んだものを食べていく。





「シェアしない?白玉ぜんざい食べたい。」


「私、みたらし団子食べたいわ。」


「うちはあんみつ食べたい。」




そう言って、シェアしたりした。





おいしすぎだわこれ。もう罪だわ。




食べて、幸せを感じていたら、なんだか廊下が騒がしくなっていった。






「? なんだろうね。」



「多分これは、皆の視線からすると、私達ね。」



「十中八九うちらやろ。これ見て。」



「…」



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