恋ができない私たち
狼のクラスの教室に連れていかれ、私は女子の集団に引き渡された。
「さ、佐野さん、まずはヘアメイクを…。」
「…OKです。」
にっこりと笑顔作れば、彼女達の顔はほんのり赤くなった。
狼…、甘いものは大量にあるんだろうな…?
あんみつ、ちょっと残ってたのに…。
髪をいじられながら、メイクをされる。
私は疑問に思ったことがあり、髪をいじっている人に聞く。
「ねえ、私は急に姫役に決まったのに、不満を持つ人は誰一人いないの?」
「え、えっと、佐野さんになる前の姫役は、萌花ちゃんだったんだけど、
その萌花ちゃんが、姫役は私だったのにって。今は女子トイレ。」
「…ふーん。教えてくれてありがとう!
私のことは千夏でいいよ。美琴ちゃん…だよね?」
「え、あ、うん。よろしくね、千夏ちゃん。」
笑顔で言うと、笑顔で返してくれた。この子もとても可愛い。