恋ができない私たち





「美琴ちゃんは、何か役をやったりしないの?」



「私は特に。姫役の萌花ちゃんが色々言った時に、

それを抑えるのが私の役目なの。」



「色々って例えば…?」



「よしっ、できた。例えば、ベッドシーンいれてとか。

なんとかキスシーンで納得してくれたけど。」





ヘアメイクが終わったようで、次はドレスを着せられることになった。





「大変だね。」



「大変だよ。すごく。」





怖いくらいドレスがぴったりだ。なんでだろうか。



そういえば前、女子に寸法計られたっけ。






「はい。この手袋つけて。」




言われるがまま、されるがままにしていると、






「千夏ちゃんが姫役で嬉しい。ヘアメイクしがいがあるし、人気が出るし。」



「役に立てて嬉しいよ。」



「後はティアラだけだ。ティアラは確か、入野くんが持ってるんだよね…。」


< 65 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop