恋ができない私たち
なんで狼がティアラを持ってるんだろう。
そんなことより、゙萌花ちゃん゙って、どんな子なんだろう。
そんなことを考えているうちに、狼が呼ばれ、教室に入ってきた。
2人、初めて会う男子が隣にいた。
でも、見たことはある。確か、狼と同じくらいモテてる人だ。
「うっわ、可愛い…天使っすわ…。」
「ちょ、遊、視線がきもい。失礼だろ」
そうだ、すごく明るい方が、東山遊、お兄さんって感じの方が、下野亮介。
「あはは、ありがとう。下野くん、大丈夫だよ。」
「…俺の名前っ、なんで?」
「? 有名だよ?かっこいい、って。」
「かっこいい…。亮介、お前、ずるいぞ!」
あはは、と笑いながら狼に近付き、ティアラを付けてと促す。