恋ができない私たち
「お姫様だったら、千夏の方が圧倒的に似合うだろ。喜ぶやつも多いだろうし。あ、メイドもか。」
佐野千夏。私の名前。
自分で言うのは嫌だけど、私達の高校、南北高校で1番モテている。1―1。
無駄に外見がいいから、たぶん告白とかはすごく多い。ちやほやされるし。
狼はそれを言っているのだろう。
けど、皆、外見だけ見て終わり。私のことを全然知ろうとしてくれないの。
まあそれはいいかな。
それより、気付いてないのかな?狼もモテてるの。
面倒見いい王子様的なことを女子が騒いでるの聞いたことある。
「あはは、そうかもね。でも私がお姫様やるなら、
ドレスの色は青ね。これ大切!」
青は昂輝の好きな色だ。
狼はそれに気づいていないようだけど笑いながら、