恋ができない私たち
「用意しとくから、やってね。劇の、俺のお姫様。」
と、言った。
「本気なの?!」
「当たり前だ。千夏が出たら、うちのクラスは
大人気だろ?」
私は、そうなんだー。と、返し、
カバンからスマホを取り出して、メッセージが来ていないかチェックした。
「あ、着信来てる。ちょっとかけ直してくるね。
眠り姫・昂輝を守るのは任せたぞ。騎士・狼よ!」
と、またニヤニヤしながら言って、外に出た。