クールな社長の溺甘プロポーズ



「ごはんくらいは一緒に食べるけど、ハードスケジュールでクタクタだからのんびり飲む暇もないよ。ていうか、私と米田さんはそういう関係じゃないし」

「えー?わからないじゃないですかぁ。澤口さんだって一週間彼と会えないから米田さんに心揺らいじゃうことがあるかも」

「あはは、私の心が揺らいだところで米田さんにお断りされて終わりだから。さ、仕事仕事!」



ひやかすように言う彼女に、私はそう笑って流すと席を立つ。



もう、すぐそういう関係にしたがるんだから。

呆れたように息を吐き、ふと気づく。



あれ、そうだ。言われてみれば、一週間出張ということは、その間大倉さんとは会えないということだ。



大倉さんと出会って早くも一ヶ月。

相変わらず彼とは2日に1回は会っていて、毎回のように食事や外出など様々な形で時間を過ごしている。

そんな彼と一週間会わないとなると、なんだか少し変な感じだ。



そういえば出張のことも、まだ言ってなかったな。今日会うし、その時に伝えよう。

少しくらいは、寂しいとか感じてくれるのかな。



……なんて、ね。

ほんの少し、そんな期待を持った自分が、ちょっとおかしい。





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