クールな社長の溺甘プロポーズ
そんな気合い充分で迎えた、2日後。
待ち合わせ通り朝8時に東京駅で米田さんと待ち合わせた私は、大きなキャリーバッグと仕事用のトートバッグを手に初日の目的地、青森へと向かった。
「今日巡回のあと飯どうする?ホテルの近くで店探すか?」
「そうですね。せっかくだし、青森ならではのもの食べたいですよね」
新幹線の中、小声で話しながらどうしようかなと考える。そんな私に、隣に座る米田さんはなにか言いたげな顔でこちらを見た。
「ん?どうかしました?」
「いや、お前大丈夫なのかなって。一週間も彼氏放置して」
彼氏、というのは大倉さんのことだろう。
そうだ。米田さんをはじめ会社の人の間では、彼は毎日のように会社に迎えにくるほど私を愛する婚約者、という認識だ。
……現実は、一週間会えずともハウスキーパーのことしか気にならないような人だけど。
「大丈夫です。私はいつでも仕事第一!」
「とか言ってるからいつも出張シーズンの後にフラれるんだよ。お前も懲りないな」
「うるさいですよ!」
小声で話しながら、ふん、と顔を背ける。