クールな社長の溺甘プロポーズ
そこからは、あっという間だった。
いつの間にか熟睡してしまっていた私は、米田さんに起こされ目を覚ました。
新青森に着き、そのまま荷物を置く暇もなく青森市内の店舗へ向かう。
そこで様々なチェックやスタッフと話をして、次は弘前店、次は八戸店……こちらのエリアは店舗ごとの距離が離れてしまっているため、とにかく移動時間がかかってしまい、各店を回り終えた頃にはすっかり夜になってしまっていた。
「あー……腰痛い、もう電車乗りたくない……」
「残念ながら明日も引き続き店舗めぐりだけどな……」
疲れてしまったこともあり、米田さんと近場で簡単に食事を済ませると、ふらふらな足取りでホテルへと向かい自分の部屋へ入った。
まだまだ店舗数はあるし、大変だ……。
固いシングルベッドに飛び込むように寝転がると、ようやく休める、という状況に安心したのかすぐにうとうとし始めてしまう。
あぁ、化粧落とさなくちゃ。服も着替えてシャワー浴びて……でも眠い。
眠い、けど、と葛藤していると、突然ヴーとバイブ音が響く。
「電話……?」
もぞ、と体を起こしバッグからスマートフォンを取り出す。すると画面には【着信 大倉佑】の文字。
え……大倉さん?
その名前にまさか彼から電話がくるとは思わず、驚きながらも通話ボタンを押した。