クールな社長の溺甘プロポーズ



そこからは、あっという間だった。



いつの間にか熟睡してしまっていた私は、米田さんに起こされ目を覚ました。

新青森に着き、そのまま荷物を置く暇もなく青森市内の店舗へ向かう。

そこで様々なチェックやスタッフと話をして、次は弘前店、次は八戸店……こちらのエリアは店舗ごとの距離が離れてしまっているため、とにかく移動時間がかかってしまい、各店を回り終えた頃にはすっかり夜になってしまっていた。



「あー……腰痛い、もう電車乗りたくない……」

「残念ながら明日も引き続き店舗めぐりだけどな……」



疲れてしまったこともあり、米田さんと近場で簡単に食事を済ませると、ふらふらな足取りでホテルへと向かい自分の部屋へ入った。



まだまだ店舗数はあるし、大変だ……。

固いシングルベッドに飛び込むように寝転がると、ようやく休める、という状況に安心したのかすぐにうとうとし始めてしまう。



あぁ、化粧落とさなくちゃ。服も着替えてシャワー浴びて……でも眠い。

眠い、けど、と葛藤していると、突然ヴーとバイブ音が響く。



「電話……?」



もぞ、と体を起こしバッグからスマートフォンを取り出す。すると画面には【着信 大倉佑】の文字。



え……大倉さん?

その名前にまさか彼から電話がくるとは思わず、驚きながらも通話ボタンを押した。


< 112 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop